フルーツ・ワイン
豊かな自然と恵まれた気候・風土を活かし、古くから果樹栽培が盛んに行われていた甲州市。ぶどう、もも、柿、ざくろ、りんご、栗、梨、そして銀杏(もしくは胡桃)は“甲州八珍果”と呼ばれ、すでに江戸時代には、人気の土産物であると同時に、江戸市場にも出荷されていたと伝えられています。なかでも人気が高かったのが甲州ぶどうで、収穫期には、ぶどうの籠を背負った馬が、列を成して甲州街道を江戸に向かったとのこと。明治初期、日本で初めて醸造されたワインの原料も、その甲州ぶどうでした。
今や、伝統を受け継ぎながらも、品種改良や栽培方法の進化により、ますます美味しく彩り豊かになったフルーツ。早春のいちごに始まり、さくらんぼ、すもも、もも、ぶどう、そして大きな渋柿を軒下に吊るして作るころ柿と、1年を通して楽しめます。一方、醸造技術の発展と醸造家の情熱が生み出した珠玉のワインは、本場ヨーロッパでも高い評価を得るまでに成長しました。甲州市が誇る甘美なる大地の恵みを、存分に味わって下さい。
ぶどう
色も形も味わいも、バラエティに富んだ極上品。
生産量の多さと栽培品種の多様さから、「ぶどう王国」と賞される甲州市。8月初旬から始まる収穫期には、市内の観光農園で気軽にぶどう狩りが楽しめます。お馴染みのデラウエアから、開発されたばかりの新品種や、他地域では栽培されていない珍しい品種まで、バラエティに富んだ“ぶどう”との一期一会は、産地ならではのお楽しみ。巨峰、ピオーネ、ロザリオビアンコ、甲斐路など、高級ブドウとして人気の品種も、市内各地の直販所などで安価で購入することができます。
また、市名の由来ともなった「甲州」は、旧ソ連のコーカサス地方からシルクロードを通って中国、朝鮮半島へと渡り、仏教の伝来とともに日本にもたらされたという、日本最古にして唯一の在来品種。甘酸っぱい果汁たっぷりで、そのまま食べても、お菓子にしても、ワインの原料にも最適な、薄紫色の美しい房が、晩秋の甲州市を彩ります。
ぶどうの品種かんたん検索!
ぶどうの品種一覧(協力:植原葡萄研究所)
甲州市で栽培されている基本的な人気のある品種は、デラウェア・キングデラ・巨峰・ピオーネ・赤嶺・ロザリオビアンコ・甲斐路・甲州などです。近年栽培数が増えてきている新しい品種は、シャインマスカット・瀬戸ジャイアンツ・翠峰・カッタクルガンなどがあります。
※種は、あえて種有りを作っている観光園もあります。
その他、最新品種
以下の品種は、まだ作られる数が少ない最新品種です。
農園施設の一覧
各ぶどう農園の紹介についてはこちらをご覧ください。
>>https://www.koshu-kankou.jp/map/budo/
もも
とろけるような完熟桃。もぎたての味は格別です!
日本一の桃の産地として名高い山梨県。その収穫量の約6分の1を、甲州市の桃が占めています。春ともなれば、見渡す限りを覆い尽くす桃の花。思わず息を飲むその美しい風景は、桃源郷と例えられ、多くの花見客が訪れます。
一言で桃と言っても、白桃もあれば黄桃、ネクタリンもあり、収穫時期や味わいも実にさまざま。甲州市では、6月下旬の“ちよひめ”に始まり、8月下旬の“黄金桃”まで、多彩な品種が楽しめます。とりわけ、果肉が軟らかく甘味の強い白鳳系の栽培は盛んで、7月1ヶ月間に、日川白鳳、山梨白鳳、早生白鳳、白鳳と、次々に食べ頃を迎えます。
水はけの良い土壌で伸び伸びと育ち、燦燦と降り注ぐ太陽の日差しを浴びて甘く熟する甲州の桃。市内各地の直売所で、安価で販売されているほか、市内の農園では、もいだその場で食べられる桃狩りも盛んに行われています。
4月中旬、一斉に花開く桃ですが、その収穫期は、品種によって違います。それは、「できるだけ長く桃を楽しめるように」という思いと、「限られた労働力で効率的に農作業を進められるように」という目的を持って、品種改良が進んでいるため。桃の収穫期は通常10日程度ですが、収穫期のずれを計算しながら様々な品種を栽培すれば、長い期間にわたって食べ頃の桃が実っている状況を作りだすことが出来るのです。甲州市でも、6月下旬から8月いっぱいまで2カ月以上もシーズンが続きますが、その間に登場する品種は代表的なものだけでも20種類近く。最初は小玉の早生品種から始まり、大玉で瑞々しく、甘さも強い白桃系の品種は、おおむね7月中旬〜8月中旬に食べ頃を迎えます。お盆を過ぎた頃からは、ネクタリンや黄桃系の桃が主流。それぞれ食感や風味も違うので、いろいろな桃を楽しんでください。
地元農家の方によれば、ここ数年、テレビ番組の影響もあってか、「堅い桃を下さい」とおっしゃる観光客の方が増えているとか。実は、しっかりと実が詰まった桃は、糖度が上がって完熟状態になっても身持ちがしっかりとしています。それを収穫し、出荷すると、流通過程で追熟され、段々と柔らかくなっていくのです。つまり、「堅い桃」とは、いうなれば「もぎたての新鮮な桃」のこと。それを水でササッと洗い、皮に着いている細かい毛を取ったら、皮つきのままガブリとかじる。これが、地元農家のおすすめの食べ方です。甘さはそのままに、歯応えがあって、とっても美味しいですよ。それから、もうひとつのおすすめは、農家のお母さん方が作る桃のシロップ煮。瓶詰めにされて売られています。手作りだけに限定品ですが、ほど良い甘さでとても美味。農園の棚などで見かけたら、ぜひお試しください。
ももの品種一覧(協力:樋口桃園)
品種名 | フリガナ | 時期 | コメント |
ちよひめ | チヨヒメ | 6月下旬 | 極早生品種 |
夢しずく | ユメシズク | 7月中旬 | 山梨県推奨!!甘い。糖度16度以上! |
日川白鳳 | ヒカワハクホウ | 7月上旬 | 早生種。果肉は白色、果汁が多くおいしい |
山梨白鳳 | ヤマナシハクホウ | 7月中旬 | 果肉がしっかりしていてさっぱりしたおいしさ |
加納岩白桃 | カノイワハクトウ | 7月中旬 | 糖度が高くおいしい!痛みやすいのが難点 |
早生白鳳 | ワセハクホウ | 7月中旬 | 果肉は白色。甘みたっぷり! |
あかつき | アカツキ | 7月下旬 | 糖度が高く、あまくってジューシー。 |
白鳳 | ハクホウ | 7月下旬 | 果肉は柔らかく甘味たっぷりでジューシー。 |
浅間白桃 | アサマハクトウ | 7月下旬 | 食感がすばらしくあふれ出るおいしさ。 |
夢あさま | ユメアサマ | 7月下旬 | 食味食感共にGoodなおいしさ。 |
なつっこ | ナツッコ | 8月上旬 | 果肉は乳白色、糖度高く果肉はとろける。 |
一宮白桃 | イチミヤハクトウ | 8月上旬 | 糖度が高く、果汁たっぷりで超人気です。 |
黎明(スウィートネクタリン) | レイメイ(スウィート ネクタリン) | 8月上旬 | ネクタリンは毛の無い桃と言われています。 果肉は黄色種の周りは赤い。 スウィートネクタリンとも言われ甘味は13〜14度で酸味が少ない。 |
川中島白桃 | カワナカジマハクトウ | 8月中旬 | 少し固めの桃をお好みの方にぜひ! |
ゆうぞら | ユウゾラ | 8月中旬 | 果肉は乳白色で、果肉はとろける旨さ。 |
黄金桃 | オウゴントウ | 8月中旬〜下旬 |
農園施設の一覧
各もも農園の紹介についてはこちらをご覧ください。
>>https://www.koshu-kankou.jp/map/momo/
さくらんぼ
初夏の日差しにきらめく真っ赤な宝石
さくらんぼと言えば山形県が有名ですが、実は山梨県も、全国3位を誇る生産地。甲州市では、5月下旬から6月下旬にかけて、佐藤錦や高砂、ナポレオンといった品種が、愛らしい実を結びます。初夏の日差しにきらめくその姿は、さながら真っ赤な宝石のよう。口に入れるとプチっと弾け、なんともいえない甘酸っぱい香りと爽やかな果汁が広がります。
約70軒のさくらんぼ農家がひしめく下萩原地区では、さくらんぼ狩りが大人気。甘そうな実を見極めて、軸ごと摘んでお口にポン。途端に広がるフレッシュな果汁が、夢見心地に誘います。春先に咲く、さくらんぼの花も趣があります。
さくらんぼの品種一覧(協力:フルーツガーデン保坂、白山園)
品種名 | フリガナ | コメント |
佐藤錦 | サトウニシキ | 知名度、人気共にNo.1のさくらんぼ。とにかく甘い。甘くて喉が痛くなるかも!? |
高砂 | タカサゴ | 酸味があるのでいくらでも食べられるさくらんぼ。全く飽きのこない味。 |
紅秀峰 | ベニシュウホウ | 最近人気の品種。親は佐藤錦と天香錦。色は薄くても甘く、大粒で肉厚なさくらんぼ。酸味も少ない。 |
ナポレオン | ナポレオン | ヨーロッパの古い品種。食感がパリッとしている。初夏の爽やかな味。 |
天香錦 | テンコウニシキ | コリコリとした食感のさくらんぼ。粒は大きい。甘みが強く、酸味が少ないのが特徴。 |
正光錦 | セイコウニシキ | 実が柔らかいのが特徴。果汁が多く含まれている。 |
南陽 | ナンヨウ | 大粒のさくらんぼ。色がかなり薄くても美味しく食べられる。肉質は硬く、果汁が多い。6月中旬以降が食べ頃。 |
紅さやか | ベニサヤカ | 熟すとジャボレーのような色になり、果汁も赤くなる。果汁が多く、糖度も高い。早生品種なので早くから食べられます。 |
香夏錦 | コウカニシキ | |
寿錦 | イワイニシキ | |
さおり | サオリ |
農園施設の一覧
各さくらんぼ農園の紹介についてはこちらをご覧ください。
>>https://www.koshu-kankou.jp/map/sakuranbo/
塩山エリアガイド(PDF)
>>https://www.koshu-kankou.jp/wp_core/wp-content/uploads/2020/06/202006161640.pdf
お問合わせ
さくらんぼ狩り・さくらんぼ農園などの、主なお問合わせ先はこちらになります。
- JAフルーツ山梨塩山支所
【0553-32-3131】
- 塩山フルーツ村
【0553-33-3395】
すもも
夏を告げる、爽やか酸味と甘みのハーモニー
桃やぶどうの陰に隠れてあまり知られていないようですが、山梨県は日本一のすももの産地。春先には真っ白いスモモの花が濃桃色の絨毯に可憐なアクセントを加え、6月中旬〜8月下旬の収穫期ともなれば、直販所には旬のすももが安価で並び、あちこちの農園ですもも狩りも楽しめるようになります。今の今まで太陽の日差しを浴びていた完熟すももを、木からもいでガブリとかじる。それはそれは、最高の美味しさです。
ところで、すももは“小さくて酸っぱい”なんて思い込んではいませんか?近年は品種改良が進んでいて、一玉200g近くにもなる大玉品種や、糖度20度前後の甘味の強い品種も続々登場。なかでも、太陽や貴陽といった品種は高級フルーツ店にも並ぶ人気の高さ。そうした高級品種が気軽に楽しめるのも、産地ならではの醍醐味です。
すももの品種一覧(協力:樋口桃園)
品種名 | フリガナ | 時期 | コメント |
大石 | オオイシ | 6月下旬 | 大型のプラムで、甘味が強く果汁が多い。酸味はほど良くあります。 |
レッドビュート | レッドビュート | 6月下旬 | 実は赤く、甘さ酸味とも適度。ジューシーだから皮ごと食べておいしい。 |
サンタローザ | サンタローザ | 7月中旬 | 実が柔らかく甘くてジューシー。とにかくおいしい。 |
ソルダム | ソルダム | 7月中旬 | 果肉がしまっていて甘く、酸味も適度にあって、旨い! |
貴陽 | キヨウ | 7月下旬 | とにかく大きいプラム。太陽に似た感じ。 |
太陽 | タイヨウ | 8月上旬 | 皮は紫赤色。果肉はクリーム色。甘味が強い。 |
レートソルダム | レートソルダム | 8月中旬 | 皮は緑がかっていますが甘味が強く実が引きしまっていておいしい! |
農園施設の一覧
各すもも農園の紹介についてはこちらをご覧ください。
>>https://www.koshu-kankou.jp/map/sumomo/
いちご
新たな早春の風物詩 暖かハウスでのいちご狩り
近年、塩山地区を中心に、ハウスでのいちご栽培が行われるようになりました。甘くてしっかりとした歯ごたえのある大粒のいちごは、市場での評価も上々。1月上旬から5月下旬にかけては、いちご狩りも人気です。暖かく快適なハウスの中で、特大の粒や、真っ赤な粒を探し、自分で摘んでパクッと食べるいちご狩りは、おもしろくて、美味しくて、一度やったら病みつきになりそう。車いすやベビーカーもOKのバリアフリーハウスも増えていて、赤ちゃん連れから高齢者まで誰もが気軽に楽しめます。あきひめ、アイベリ、あすか、とよひめなど、甘くてちょっぴり酸っぱい旬の味を、お腹いっぱい召し上がれ。
>>いちご狩りマップ(PDF)
いちごの品種一覧(協力:しまむら農園、竜太園)
品種名 | フリガナ | コメント |
べにほっぺ | ベニホッペ | 香がよく、コクのある味わいが人気!甘さが強くてビタミンCがたっぷり含まれています。 |
章姫 | アキヒメ | 実が大きくなります。酸味が少なくて糖度が高いからファンが多い品種です。 |
アイベリー | アイベリー | 極大の大きな果実が特徴のアイベリー。高級いちごとも呼ばれているいちごです。 |
レッドパール | レッドパール | 「とよのか」と「アイベリー」を交配。両者の特徴に加えとちひめ同様、中まで赤いいちごです。 |
あすかルビー | アスカルビー | 大きくて果肉が白っぽく果汁もたっぷりでとても甘いいちごです。 |
さがほのか | サガホノカ | 果実が大きく色鮮やかで果汁も豊富。糖度が高く食べやすいいちごです。 |
さちのか | サチノカ | 糖度が高くて香りのよいいちごです。果肉がしっかりしていて人気種です。 |
やよいひめ | ヤヨイヒメ | 甘みの中に適度な酸味があり食味は良好です。2月頃から出回ります |
農園施設の一覧
各いちご農園の紹介についてはこちらをご覧ください。
>>https://www.koshu-kankou.jp/map/ichigo/
ころ柿
果樹王国の冬を彩る飴色のカーテン。濃厚な甘味が秀逸です。
渋柿を軒先に吊るして作る、甘い干し柿。甲州市では古くから盛んに作られていて、コロコロと転がして位置を変えながら柿を丁寧に乾かしたことから、「枯露柿」の名で親しまれてきました。栄養満点で長期保存がきくことから、武田信玄公の時代には、陣中食としても奨励されたとか。日本一大きな渋柿の「甲州百目柿」や「大和百目柿」を用いて作られる「枯露柿」は、驚くほどの大きさでどっしりとした重さもあり、口に入れるとまったりとした自然の甘みが広がる逸品。贈答品としても人気があります。
農家の軒先を鮮やかに彩る枯露柿は、晩秋から初冬にかけての風物詩。11月上旬〜12月下旬、塩山松里地区では、今でも、ひとつひとつ丁寧に皮をむいた飴色の渋柿が、古民家の軒先や庭先に簾のように吊るされている、昔ながらの風景を楽しむことができます。
ワイン
ワイン文化に触れ、世界が絶賛する“KOSHU”に酔う
明治初期、地元の有志によって、日本初のワイン醸造会社「大日本山梨葡萄酒会社」が設立され、本格ワインが醸造された甲州市勝沼地区。現在も40社以上のワイナリーがしのぎを削り、国産ワインの25%が当地で醸造されています。かつては、『甲州ワイン=お土産用の甘いワイン』と揶揄された時代もありましたが、ワイン造りへの情熱と、醸造技術の発展により、近年では、国内外の美食家をも唸らせる、洗練されたワインが作られるようになりました。特に、甲州市在来のぶどう「甲州」から作る淡麗で辛口の白ワインは、「控えめだが芯あり」と評され、和食や家庭料理との相性も抜群です。
市営「ぶどうの丘」のワインカーヴには甲州市で醸造されている自慢のワインが一堂に揃っていて、常時試飲が楽しめるので、お気に入りを探すにはもってこい!また、ぶどう畑の中に点在するワイナリーのほとんどが、ガイドツアーや試飲販売を実施しており、ワイナリー散策も人気があります。
※コロナウィルス感染防止策として、各ワイナリーの営業形態(見学・試飲)については変動等がありますので、
ご訪問の際には、各ワイナリーへお問い合わせください。
甲州市のワイナリーについてはこちらから
>>https://www.city.koshu.yamanashi.jp/docs/2019032000016/